津野裕子の短編と西島大介の長編
岡崎作品じゃないけど、ちょっと関係のある(ありそうな)作品を続けて読んだのでメモ。
津野裕子の『デリシャス』を古本で読んだ。1988年青林堂刊。
『冷蔵庫』はその中の6ページの短編。
捨てられた冷蔵庫の中に閉じ込められて7才の少女が死んだ。それから10年後、死んだ彼女は冷蔵庫の姿で妹の前にあらわれる…
津野裕子の作品は夢の論理で進むので要約がとても難しいですが、乱暴にいえば"死と乙女"のお話です。
で、この作品で、死んだ姉が20才くらいに成長した姿で、白いワンピース着て冷蔵庫の中から登場するシーンがあるんですね。
これは岡崎京子の『冷蔵庫女』(『恋とはどんなものかしら』[マガジンハウス刊]所収)の元ネタのひとつなんじゃなかろーか。岡崎『冷蔵庫女』は死神(?)だけど、津野『冷蔵庫』の彼女も冥界(?)から出てくるし。
西島大介の『凹村戦争』(早川書房)を読んだ。こちらは今年の青雲賞受賞作の長編。
『凹村戦争』は様々な先行作品を下敷きにした、仕掛けに満ちた作品ですが、大きなネタの一つとして『リバーズ・エッジ』がある。
『リバーズ・エッジ』での河原が村はずれの草むらで、死体のかわりに天から降ってきた"物体X"がある。終盤手前では、『リバーズ・エッジ』がギブスンの詩を挿入したのとまったく同じやりかたでBlurのThe Universalの訳詞を挿入している。
しかし『凹村戦争』、いい作品なんだけど、うまくでき過ぎて優等生の模範解答を読んでるような気もしてくるのが悩ましい。作品内の仕掛けは楽しめるんだけど。どうも"セカイ系"以降のマンガ・アニメってうまくノれないんだよなあ。世代の差ですか。うーむ。
岡崎作品のネタ(かもしれない)作品と、岡崎作品をネタにした作品を最近読んだというお話でした。


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