ドッペル・ゲンガー
「ボーイフレンドisベター」(白泉社'86)所収
自分そっくりの子と暮らす女の子のおはなし。
そっくりの姉妹、あるいは双子かと思いきや、古くからの知人によれば彼女に双子はいないという。では、彼女たちは何なのだろう?
★
かつてアンディ・ウォーホルは、一つのイメージをシルクスクリーンで繰り返すことでイメージがはらむ通常の意味を無化し、イメージ自体に奇妙な謎をはらませた。
ウォーホルの作品と同じように、お互いがそっくりの女の子(たち)は、ひとつの容姿を反復する事で、重くてややこしい"個の内面"から自由になっているように見える。"内面"がある場所には、かわりに奇妙な謎がある。
岡崎さんが音楽のような漫画を描く
ことを一つの目標にしていたというのはよく言われることだけど、この作品は音楽的な作品への志向がよく表れている気がする。
彼女と私で
お仕事は半分 お給料も半分
おしゃべりは2倍 お皿の数も2倍
彼女がお昼ねの時 私はお仕事
私がお散歩のとき 彼女はお料理
すべてがはんぶんこか
2倍されるの
リズミカルなネームにそって、彼女たちの休日の一日が描かれる。作品を作っているのは物語ではなくてリズムとイメージの断片だ。とても音楽的だという気がする。
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